先生さまはキスで繋ぐ
「……そんなに離れて座らなくてもいいだろ」


「気にしないで下さい。私の小さな警戒心の表れです」


「気になるだろ」


 先生はため息をついた。


「怒ってんのか?」


「好きでもない人にキス奪われて怒らない人がいたらすごいと思います」


「そんな人がいたら尊敬する?」


 先生の面白がっているような質問に、私は嘲笑を浮かべた。


「どうかな。笑っちゃうかもね」


「……藤堂は彼氏いないんだろ?」


「だからなに。彼氏いないなら問題ないじゃないかって?」


 私は袋を破ってクリームパンにかじりついた。


睨みつけると、先生は苦笑。


「なんだ、一途で純情なんだな、お前」


「……意外そうなくちぶりですね」


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