先生さまはキスで繋ぐ
「いや? 可愛いなと思っただけ」


「……はあ?」


 私は眉間にしわを刻んだ。


「好きでもない人にって言ったな」


 コーヒーを飲み干したらしい先生はカップを持って立ち上がる。


「それが……なに?」


 見上げると、不敵に見える笑みを浮かべた先生と目が合った。


「――俺を好きになれよ。それなら、問題ないんだろ?」


「な……――」


 信じられない。


 気づけば、私は立ち上がっていた。


「なんであんたを好きになんか……」


「なれよ。俺のこと、好きに」


「ひゃっ……」


 近付いてきた先生に顎をつかまれ、私は肩を震わせた。

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