先生さまはキスで繋ぐ
 先生はゆっくりと車を発進させた。


「……ばっかじゃないの」


 ボソリと呟くと、先生はクスクスと笑い声をもらす。


「お前、それ口癖だろ?」


「へ?」


「バカじゃないのってやつ」


「……ああ、そうかも」


 いや、ていうか。


「あんたにしか使ってないけど」


「マジで!?」


「マジで」


 そう、北口彼方にしか使っていないと思う。


「お前なあ……つか、教師に向かってアンタってどうよ」


「私はあんたを教師だなんて認めていない」


「いきなり真面目な口調に!」

< 67 / 75 >

この作品をシェア

pagetop