先生さまはキスで繋ぐ
「あんたね、自分で分かってんの? あんた、私の貴重なファーストキスを奪ったんだからね。罪は償ってもらわないと」


「バイト紹介してあげただろー」


「無理やり変えさせたんでしょうが」


 私は後部座席で脚を組む。


「……ひきずるよなあ、お前」


 先生は苦笑した。


「私はね、ファーストキスはこう、付き合って1か月後くらいの彼氏と彼氏の家で照れながらしたいっていう夢があったの!」


 あまりにも先生がテキトーなので、うっかり夢をポロリしてしまった。


「……マジで?」


 先生はバックミラー越しに私を見た。


ものすごく驚いたように、目を見開いている。


……そんなに驚かなくていいじゃない。


「お前……18歳だよな?」


「うっさいな! いーじゃん別に何を夢見てよーが私の勝手でしょう!?」


「いや、まあそりゃそうだ」

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