地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
そう思って、ジッとベッドで待っていたら……。


「起きたのか?」


たった今探しに行こうと考えていた陸が、やってくる。


「うん」

「気分は?」


陸はそう聞きつつ、あたしの隣に腰を下ろした。

――ギシッ

ベッドがきしむ。


「うん、だいぶラクだよ」


そう返すと、頭を撫でてくれた。

やっぱり、こう撫で撫でされるのって落ち着くや。


「ね、ここどこ?」


キョロキョロと部屋を見渡しながら訪ねる。


「ん? あぁ……TV局近くの滝本系列のホテル。お前がぶっ倒れたから、急きょここで休ませたんだよ」


あ、やっぱりホテルだったんだ。それに、あのTV局から近いのか……。


「ごめんね、迷惑かけて」


陸の服を握って、うつむきながら告げた。

部屋を取ってもらうなんて、迷惑かけ過ぎだよ。

倒れたのは、自分の過失なのに……あたしダメだなぁ。

陸に甘えてばっかりで、情けない。

そう考えていた時。

――ポスッ


「え!」


突然、ヤツの胸に頭を引き寄せられる。

な、なにするの?

目の前には、首から下げられた陸のネックレスがあった。

ヤツの行動が理解できなくて、パチパチと瞬きを繰り返す。


すると。


「なんで全員のケガを治すなんてムチャをした?」


そうあたしの頭の上から問い掛けてきた。


「へ……」

「なんでだ?」

「そ、それは……」


だって、聞こえちゃったんだ。


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