地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
すると。


「んっ……!」


陸に唇を奪われる。


そして、胸元辺りに違和感を感じた。

あぁ……そういうことね。


違和感の正体は、陸の手で。



「1週間、ずっと会えなかったわけだし。俺に待ってたご褒美くれてもいいんじゃね?」


フッと妖艶に笑うヤツは、あたしの服の裾に手を入れる。


もうっ……!


手の動きが止まることはなく、上へと向かってくるので、あたしもニッコリ笑って言ってみた。


「じゃあさ、あたしにもご褒美ちょうだい? がんばって、早く京都から帰って来たんだから……」


今夜は、家族の帰宅は遅いし……。

京都での呪つくり、がんばったんだもん。


たまには、思いっきり甘えてもいいよね?


そう思って、陸の頬にチュッとキスをする。



「バカ、かわいすぎ」


陸が言ったのが早かったか、ヤツの手が上に到達するのが早かったのか、わからないけれど……あたしは、その場に優しく押し倒された。



「貶してるのか、褒めてるのかわかんない」

「褒めてんの」



クスッと笑う陸に、ドキッと胸が高鳴る。


この笑顔、好き。

王子様でも、イジワルでのなくて、陸の素と思えるから。



「じゃあ、今夜はいっぱいかわいがってください」

「もちろん、喜んで」



ふたりで笑いあって、そのまま身を任せ、甘い時間を過ごした―――。

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