地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
それも、♪つけながら……。

やっぱり、怒らせて1番怖いのは、コイツだと思う。


「呪詛の犯人は、絶対に見つける。あたしの大事なモノに手を出すことの恐ろしさ、わからせてやるんだからっ!」

「あんま、ムチャすんなよ?」

「へーき、へーき! 陸はちゃんと休んでてね!」


もう俺が何か言ったってムリだろうな、と、多少諦めつつ、ニコッと笑う杏に口づけた。




その後、杏との話し合いで、大学には行くことを決めた。


もう試験やレポート提出の季節だし。


試験くらいは、楽勝だと思うが、出席がないとヤバイ科目もある。


これを休んでいたら、単位に関わるから。



そのかわり、今現在も俺に対する呪詛は発動している。


撫で物で、呪詛を移したとはいえ、体が疲れやすいことや、気怠さが残る。


なので、会社の仕事は、できる限り家で行い、大半を北原たちに任せることにした。


会社には、呪詛のことは黙っておき……過労で体調がすぐれないと伝えることにする。



そして、大学に行くのには、もうひとつ理由があった。

それは、呪詛をかけたヤツなら大学に来ていることを悔しがるだろうから。

頭痛で体調を崩そうとしたのに、俺がピンピンしていたら……面白くねーだろ?

犯人を捜すためにも、杏がその方がいいといったんだ。



そうして、杏の……俺に対する呪詛をかけた犯人探しが始まった。


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