バケバケ
シイは私より早く食べはじめた。
「美味しい!」
焼きうどんがよっぽど気に入ったのかシイはお代わりを頼んだ。
なんて図々しい。
「たくさん食べて。」
母は上機嫌。
私はなるべく視界に入らないようにテレビを見た。
シイには感謝してる。
あの時シイが来なかったら私は箱に閉じ込められてた。
でも…
やっぱり現実味はないし、全部信じるなんてことも出来ない。
だからシイがバケバケで、ここに住んでるっていうのも納得がいかない。
こうして何もなかったみたいに私は今生活してる。
トキが何かを起こすなんて言ってたけど…
テレビのニュースだっていつもと一緒。
−ここで、臨時ニュースです。