バケバケ
「不法侵入な上、覗きとはいい度胸だなぁー。」
俺は扉に歩みより、取っ手を掴んで一気に開けた。
「うわぁ!!」
「うわぁ!!…じゃない。驚いたのはこっちだっつーの!」
扉の向こう側にいたのは洋子だった。
「わ、私…なんにも見てないよ!」
「うそつけ!!…どっから見てた。」
「…愛してる。世界で一番、誰よりも何よりも。」
「………。」
またなんつートコから聞いてんだ…
しかも丸暗記だし…
でも…前半部分は聞かれなくてよかった。
「…1人?…シイは?」
「え…えっとねー、実は……」
洋子はこれまでのいきさつを語り出した。
要約するとこうだ。
俺たちと同じようにバケバコを壊してるらしい中森千秋とそのパートナー、バケバケの燕に会った。
二人はあるバケバケを追っていたが、なかなかの強敵でたまたま見つけたシイと洋子に協力を要請した。
しかし、シイが加わっても相手に勝てず、持ち主を探し二人のバケバケの力を抑えようということになった。