バケバケ




「不法侵入な上、覗きとはいい度胸だなぁー。」


俺は扉に歩みより、取っ手を掴んで一気に開けた。


「うわぁ!!」


「うわぁ!!…じゃない。驚いたのはこっちだっつーの!」


扉の向こう側にいたのは洋子だった。


「わ、私…なんにも見てないよ!」


「うそつけ!!…どっから見てた。」


「…愛してる。世界で一番、誰よりも何よりも。」


「………。」


またなんつートコから聞いてんだ…


しかも丸暗記だし…


でも…前半部分は聞かれなくてよかった。


「…1人?…シイは?」


「え…えっとねー、実は……」


洋子はこれまでのいきさつを語り出した。




要約するとこうだ。




俺たちと同じようにバケバコを壊してるらしい中森千秋とそのパートナー、バケバケの燕に会った。


二人はあるバケバケを追っていたが、なかなかの強敵でたまたま見つけたシイと洋子に協力を要請した。


しかし、シイが加わっても相手に勝てず、持ち主を探し二人のバケバケの力を抑えようということになった。




< 252 / 469 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop