バケバケ



「僕…帰ります!」


エレベーターの方に走り出す竹内さん。


「いやいや、待てよ。お前何しに来たんだ。」


灰音が竹内さんの襟を掴んで引き戻す。






「…竹内?」






坊主頭の男の人の隣から茶髪のポニーテールの女の人が顔を出した。


「…ミナミちゃん!」


この女の人がミナミさんか。


きれいな人だなぁ、
言っちゃ悪いけど竹内さんにはもったいないくらいだ。


「どうするよ、洋子。」


灰音がこそっとわたしに訊いた。


「ミナミちゃんに聞いちゃうか?この坊主は誰ですかって。」


「え、今?もしミナミさんが坊主の人と付き合ってるなんてことになったら竹内さん耐えられないんじゃ…」


「でもコイツのためには言ってやるべきだろ。」


「でも…エレジーはどう思う?」


「私はどっちでもいいわぁ、そんな男のコト。」


「エレジー…」


「よし、じゃあ訊こう!」


「あ、ちょ…」


灰音がミナミさんの前に歩みでた。




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