バケバケ
「今から事件のあったコンビニへ行く。」
シイの顔は真剣だった。
「ねぇ?」
「何?」
「行ってどうするの?」
私たちが行ったところでどうするの?
行方不明の子を捜すの?
金髪の男を捕まえるの?
出来るの?
そんなことが。
「助ける。」
「えっ?でも私にそんなの無理だよ。シイには出来るかもしれないけど…」
「今回は見てて欲しいんだ。俺がこれからすることと、洋子にこれからしてもらいたいこと。」
「私にしてもらいたいこと?」
「うん。俺はあの金髪の男も助けてやりたいんだ。」
シイは立ち止まり、私の肩に両手を置き、しっかりと私の目を見ながら言った。
「勝手なことだってわかってる。でも…どうしても洋子の力が必要なんだ。」