バケバケ
きれいな目をしていた。
まっすぐで意志が通った。
「洋子はバケバケが見えるし、トキにも狙われてる。
何かあったら絶対俺が助けるけど、もしかしたら俺がいない時に洋子が襲われるかもしれない。
そうなったら洋子は自分で自分の身は守らなきゃいけないから…
洋子のためでもあるんだ。」
「…わかった。」
私はただ頷いた。
「それと…」
「なに?」
「俺と話す時は小声で話した方がいいよ。」
「なんで?」
「だって…ほら。」
こんなに混んでるのに私の周りに人がいないのに気づいた。
「あれ?」
「あの子誰と話してるんだろう」
「なんか怖くない?」
ひそひそとそんな声が聞こえてきた。
そっか。
他の人にはシイの姿は見えないんだ。
なんか不思議。
こんなはっきり見えてるのに。
……人の視線がイタい…