バケバケ
「ばれてた…?」
「あの女の言った通りだ!」
上から声が降ってきた。
見上げると3メートルくらいの高さにあの金髪の男が浮いていた。
男は手に持った箱を高々と上げ笑う。
「この箱くれた女がさぁ、言ったんだよ。
"この箱を使うとメガネの男が必ず邪魔しにくる"
って!ホントに来たよ、何なのお前。」
「バケバコの中の女の子を解放しろ。」
「はぁ?なに?お前俺と香澄の愛を邪魔する気か??」
「そんなん愛じゃねーよ、中で泣いてんじゃないのか?香澄さん。」
「!」
男は顔をしかめて、軽くジャンプするとシイの目の前まで降りてきた。
「これが欲しいか?」
男はシイに箱を見せた。
「それをこっちに渡せ!」
シイが箱に腕を伸ばす。
「痛っ!」
シイの腕にまた切り傷がたくさん出来た。