バケバケ
黒い煙が上がりバケバコが黄金の手の中から転がり落ちる。
そして…
「香澄…。」
黄金の前に香澄ちゃんが現れた。
彼女は無言のまま視線を黄金から離すことなく、堂々と立っていた。
―パンッ―
良い音が響き渡った。
香澄ちゃんは黄金におもいっきり平手打ちしたのだ。
「あんたなんか大嫌い!」
「え……あ」
黄金は何が起きたのか分からずに少し赤くなった頬をさすっている。
「もう怖くないよ!あんた私のギターなんでしょ?なんでこんなことするの!」
「俺は…」
「はっきりしゃべって!」
「はい…。」
なんか…
形勢逆転…?
「俺はただ香澄と一緒にいたいだけなんだ!香澄…昔はここによく来て俺を弾いてただろ?でも最近じゃそれもなくなって……」
「……。」
「俺、このまま香澄は弾いてくれなくなる気がして…香澄、最近笑わないし、バンドも辞めちゃったし…」