バケバケ


「ほぉー、じゃ追い詰めてみるか。」


灰音がにたりと笑った。


「?」


「おーい、エレジー。この前作ったアレ、今出してくれ。」


「わかったわ。」


エレジーが鏡を俺に向ける。


その瞬間、辺りが白く光った。


「!!」


眩しくて目を閉じる。


目を開くと…


「なんだこれ…」


俺は銀色の檻の中にいた。


「エレジーの能力を利用して俺が作った特製の檻だよ。」


「何するんだ、出せ!」


「やだね。急に暴れられたらたまんねーよ。俺人間だし。」


「こんなことしなくても俺は暴れたりなんか…」


「暴れるね、これから。……洋子ー?」


エレジーの後ろにいた偽洋子が顔を出した。


「なぁに、お兄ちゃん?」


…お兄ちゃん…?


「―――!!…お前洋子になに言わせてんだ!!」


「妹萌えなんだよね、俺。……じゃあ洋子、おつかい行けるか?」


「うん、お兄ちゃんの言うことならなんでもきくよ。」


「そうか、いい子だな、洋子は。」


灰音が洋子の頭をなでる。



< 87 / 469 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop