バケバケ
「教えろ!!今すぐ!」
灰音は手で俺を制した。
「やだな、ちょっと落ち着いてよ。立場わかってんの?」
「……」
「いいよ。教える。……ただし!」
灰音は俺に向かって人差し指を立ててつき出した。
「俺の研究に協力してもらうよ?」
「研究…?」
「そう。俺が今興味あるのは……黒い炎。」
灰音は俺の頬を指差した。
「出せよ、黒い炎。契約してんだろ?」
「……」
なんとか情報だけ手に入れて逃げようと思ってたが、こいつ相手は難しいらしい。
たぶんこの様子だと契約についてある程度調べてあるみたいだ。
「どうしたんだ?早く出せよ。」
「…そんな簡単に出せるもんじゃねぇよ。」
「ほぉー。じゃどんな時なら出るんだ?」
「追い詰められたらとか…」
「嘘ついてないだろうな。」
「あぁ。」
これは本当だ。
あれは俺の意思に関係なく働く。
俺の中に違うヤツが住んでるみたいなものだ。