くちびる刑事〜22分で解決!〜
解決篇
♪音楽
<その間に暗転、みんなスタンバイ>
〜くちびる、声だけ〜
「なるほど。これまた面白い情報が手に入った。やはり、科学の力は、すごい。…真犯人は…あいつだ!」
<照明着く(音と共に)>

くち:やっと分かりました。真犯人が。(音響:ダン。ダン。)
(くちびるゆっくり大星の方へ歩きだす)
くち:愛する恋人だが、女遊びが激しく散々傷つけられた女優、大星陽奈。今日も、島田さんの浮気が原因で喧嘩し、前々から抱いていた殺意が確かなものになった。
楠:(大星の方にかけよって)おおぼしい!やっぱりなあ!(手錠をかける寸前)
(楠固まる)
くち:しかしやっぱり愛する恋人。殺すはずはありません。
楠:え?(手を下ろす)
(くちびる、梶川の方へ歩きだす)
(梶川はうつむいてる)
くち:ドラマの主役を色仕掛けで奪われ、と、同時に、親友である島田さんに裏切られたショックは大きかった。(梶川の目の前に到着)殺したいほどに恨んだ。
楠:(かけよってきて)観念するんだなあ、梶川翔大!(手錠かけようとする)
くち:だが、やはり親友。殺せるはずはない。(楠固まる)
楠:あ、ですよね(愛想笑い?)
(くちびる、中央に歩いていって)
くち:実は、島田さんのにはタバコにはつく筈のない、指紋がついていたんです。
若:指紋?なんで?
くち:恐らく、タバコに毒を仕込んだ時に着いたのでしょう。
タバコに仕込めば、警察にはばれない、犯人はそう思った。
楠:なかなかの知能犯だなあ!
くち:よって。その指紋の持ち主こそ、真犯人です。
若:それは…誰…?(シリアスに)
くち:それは(音響:ダン、ダン、ダン…)、あなたです、柿手マネージャー!
柿手:はい。
くち:我が儘な島田さんに、無理を言われ、殺意を抱くことも多かったんじゃないですか。
柿手:はい。もう自白してます。
くち:(前の方に進んで)ふむ…あなただったんですね〜(しみじみと)
若:(くちびるに近寄って)いやいや、皆知ってた。
楠:(近寄って肩に手を置いてしみじみと)謎の多い事件だったぜ…
(照明落ちて、みんなはける)
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