エクソシスト
「初めまして、アネット師範様。リン・ソルダーです。」

顔をあげた黒髪の少女は、
驚くほど綺麗だった。
飾らない、無駄のない美人だった。

スラッとした体系に白い肌。
淡いグリーンの瞳は澄んでいて、嘘のない瞳だった。

…そして…誰かの面影があった。


「……ローサ…!」

アネットは声をあげた。

リンは驚いた。

「母を…ご存じですか?師範様。」

「あぁ良く知っているよ。」

アネットは懐かしい目をした。

「彼女は優れたエクソシストだった。
…そうか、君がローサの娘か。
ローサに良く似ている…」

アネットが言うと、リンは嬉しそうにした。

「母に似ていると言われたのは初めてです。師範様。
みな、母の話を避けます。
私を気遣っての事でしょう。
でも私は知りたいのです。
私の知らない、エクソシストとしての母を…。」

そう言ってリンは微笑んだ。

微笑んだ所もローサを思わせた。
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