エクソシスト
アネットの頬に一筋の涙が流れた。

「師範様?」
セシルが慌てた。


そうか…
この少女はこんなにも
辛い思いをして来たのに、

母への愛でのり越えて来たんだ。

「リン。
お前が、エクソシストになる理由を聞かせておくれ。」

「母との…約束です。」

「約束?」

「母は最後に言いました。

私が守れなかったものを、
おまえが守ってあげなさい。
私の力をおまえに全てあげよう。
どうかどうか…
この呪いと一緒に生きて欲しい。
私と…一緒に生きて欲しい。
と。」

リンは微笑みながら話した。
嬉しそうに。


「ありがとう。リン。
もう疲れただろう。
今日はおやすみ。」

アネットは言った。

「ありがとうございます。師範様。」

「アネットで良い。」

「はい、アネット様。」

リンは部屋を去った。


「セシル。あの子はきっと大丈夫だ。」
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