白虎連合Ⅳ

失ったモノ






無機質な電子音。

鼻を擽る薬品の匂い。







「……………」








うっすらと目を開ける。




視界に映るのは真っ白の天井。

そして窓。





窓が開いていて風が入る。

天気は、快晴。








「ゆーいっの着替えふんふふーんっ」








下手くそな鼻歌。

それが聞こえる方向に視線を変える。




そこには黒髪に襟足メッシュの男。

私の視線を感じたのか、振り向いて。









「あー!!!ゆいが起きた!!!」








目を見開いて指差すのは、私と同じ顔。

同じ、顔?











「はぁ?!」









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