まじっく○△□






そんなときだった。


一番後ろの席だったわたしは
いろんな子たちを眺めていると



「植村は何書くの?」


そう言ってきたのは
席が隣のゆうきくんだった。


「えっ・・・んー。どうしよう」


たいして作文が好きではなかったわたしは
こうゆう応えしかできなかった。


ゆうきくんの作文用紙をのぞきこむ。


(…わたしと同じくらい書けてない。)



「おれ、作文得意じゃなくってさ。」


そんなゆうきくんは
誇らしげに笑って見せた。


そんな顔をみて
わたしもつられて笑った。


「ところでさ、植村、ペン回しできる?」


「うーうん。できないよっ。・・・ほら」


クルっと半回転はするんだけど、
落ちちゃうんだよね、途中で。

そう言いながらやってみせた。


「んー。もっとゆっくりやってみっか?
ほら、こーやって。くるって・・・」


作文のことなんかそっちのけで
わたしはゆうきくんに
ペン回しを必死に教わった。


「…ん~。難しいなあ。」

「一週間くらい練習すれば
ぜったいできるようになるよ!
おれがほしょーする!」


また、誇らしげに笑った。

それをみて、わたしもまた笑った。






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