芽衣の恋愛論


幸い車の通りが少なくて、将吾君はすぐにハザードたいて車を止めてくれた。


「どうしたの?」


と聞いてきたのも無視してあたしは車を降りた。


すれ違ったカップルを少し追いかけた。







顔をもう一度確認したくて近づいてったら
近づき過ぎてカップルの彼女の方が振り向いた。





あたしとの距離は2メートルくらい。
バッチリ目が合った。


ハッとするあたし。


間もなく隣の彼氏も振り向いた。




彼氏はあたしを見て目を丸くした。
でも次の瞬間懐かしそうに笑った。

「おお、芽衣じゃん!」



「た、たたた、田中くん。」

あたしはモジモジ下を向いた。



「今車に乗ってて見かけたから。」


と言って車を指差した。


将吾君が車から降りてこちらに向かって来ていた。



振り向いたあたしたちに将吾君が会釈した。




「じゃ、じゃあね。」




「あの人彼氏?」

田中くんは嬉しそうに聞いてきた。




あたしは質問には答えず手を振ってその場を離れた。

将吾君の体を両手で押した。
「もういいの。終わったから。」



将吾君はすぐ車に戻った。



「誰?知り合い?」

将吾君は普通に聞いてきた。

「……昔付き合ってた人。」


あたしはドキドキしていた。
いまだに田中くんの笑顔を見てこんなにドキドキしている自分に驚いた。





将吾君が友達に戻った気がした。






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