芽衣の恋愛論
由宇


芽衣と将吾さんが付き合いだしてからというもの

芽衣に会ってない。
2週間が経とうとしている
隣に住んでいるのに…。



おそらく上手くいってないんだろう。


サトルのことを考えると、それでもいいけど、

芽衣の悲しそうな顔は見たくないし。



複雑な気持ちの俺。



仕事終わりの一杯。
缶ビールを飲み干した勢いでソファーから起き上がり、そのまま自分ちを出て芽衣の家のドアをノックした。


耳を澄ますが、物音がしない。

22時過ぎだけどまだ帰ってないのか、
もう寝てるのか…。


念を押してもう一度ノックした。


さっきよりも力強く叩いた。



「由宇君?」

後ろから声がした。


芽衣がいた。


「どうしたの?」


芽衣が心配そうに俺の顔を覗きこんできた。

思いもよらず近づいてきてアップにドキドキしてしまう、自分がいた。


俺はさりげなく芽衣から離れた。
「さ、最近会ってなかったから。将吾さんとどうなったかなと。」


聞かなくても表情でわかる。
上手くいっている。


芽衣ははにかんだ。

「うん、ちょっとずつ慣れてきて、なんとか…やってる。今日も食事してきたの。」


「そう。それなら良かった。」


「最初はね、会話もまともに出来なかったのよ!」


芽衣はちょっと興奮気味に言った。



ちょっと話して、俺たちはそれぞれ家に帰った。


芽衣の恋愛恐怖症治せるの将吾さんなのかな…。

俺はぼんやり考えた。


将吾さんと毎日会っているらしい。


サトルのことを考えると切ないけど…芽衣が幸せなら仕方ない。



< 109 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop