芽衣の恋愛論

手を繋いで歩いて芽衣を送り届けた。
芽衣の家でお茶をご馳走になった。
テーブルに向かい合って座る。

「あたし誰かと付き合いたいって思ったの生まれて初めてなの。」

芽衣が頬杖つきながら嬉しいことを言ってくれた。


「俺も、こんなに片思いしたの初めて。」

って言おうとしてやめた。

「ずっと一緒にいたいの。」


芽衣が言った。
俺は口に含んだお茶を吹きそうになった。


「おかしい?変なの?」


芽衣は不安そうに聞いてきた。
「おかしくないし変じゃないよ。」


「じゃあどうして?」



「恥ずかしいから。」


俺は咳き込む仕草をしながら答えた。
芽衣はつまらなそうな顔をしている。納得してないみたいで口を尖らせてお茶から俺に視線を移した。

目が合うと気まずそうにまた視線をお茶に戻した。



「同じ気持ちだよ、俺も。」

下を向いている芽衣の頭のてっぺんに向かって言った。
それだけ言うのが精一杯だった。
気の利いた言葉は浮かんでこない。


本当に?と聞かれ本当だよと答えた。


相手が芽衣だと主導権が取れない。

自分が自分じゃないみたいでもどかしい。

どうしちゃったんだろう俺ってば。




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