芽衣の恋愛論


でもやけにニヤニヤしてるサトルを見たら話を聞かないわけにもいかない。


「昨日楽しかったみたいだな。映画何見たの?」


服をたたんでいたサトルは嬉しそうに近づいてきた。

「ハナミズキ観た。内容はまあまあ面白かったよ。芽衣は泣いてた。意外と涙もろいんだな。」



「で、進展は?」



サトルの表情が曇った。


「進展は…特にないけど…。」



うつむくサトル。


「案外奥手だよね。でもまた2人ででかけりゃいいじゃん。」




「車内では何も話せなかったし。」



「えっ何で?信じらんね。」



「芽衣の前だとすごい無口。芽衣が恋したことないなんて言ってしんみりしちゃって。」


「恋したことないって?彼氏いたのにな、そんなこと言うんだ。」





「失恋の傷が癒えてないんだよ。俺も何も言えなくなって、またねって別れた。」




「失恋って何年経ってんだよ。3年前だよなぁ確か…。」




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