芽衣の恋愛論
芽衣
サトル君と映画を観た翌日、仕事が休みだったあたしは友達の由美ちゃんちに遊びに行った。
由美ちゃんとは短大からの仲であたしの唯一の女友達かもしれない。
由美ちゃんは流行に敏感でオシャレで可愛くて男の子の友達も多い。
肉食系女子で、彼氏はすぐできるけどすぐ別れてる。
あたしは昨日サトル君と映画見に行って、恋をしたことがないことに気付きまた運命の恋人探しをしたい旨を伝えた。
「偉い!!やっとその気になってくれたのね。」
体育座りをしてベッドに寄りかかり体育座りをしていた由美ちゃんは膝をポンッと叩いて持ってたセルライトローラーをあたしに向けてきた。
落語家みたい。
「でもぉ探すも何も近くにいるサトル君とか将吾君とかはダメなの?かっこいいんでしょ?それに芽衣に気があると思うんだけど。」
由美ちゃんはセルライトローラーでまたコロコロしながら言った。
「ううん。2人とも友達だよ。将吾君は優しくしてくれるけどサトル君は基本的に冷たいし、気なんて絶対ないよ。それにモテモテで回りに女の子たくさんいるみたいだし。」
あたしが言うと由美ちゃんは目を細めて考え事をしているようだった。
「まあいいか、それならさ友達の将吾君やサトル君にお願いして合コンセッティングしてもらうのもいいかも。」
「合コン?」
「うん、楽しく皆でお話しながら気の合う人を探すのがよくない?あたしも紹介出来る人に限りがあるし、人脈は多いほうがいいよ。将吾君って会社経営してるんでしょ!!だったら知り合いも多いはず。」
「そっかそうだよね。お願いしてみる。」
「女子はあたしが集めるから。」
なんだかワクワクしてきた。