三角形(仮)



階段を下り従業員用ドアから入る。

「うーす」

「「「おはようございます!」」」

作業をしながらスタッフが挨拶する。



従業員用の通路を通り、ロッカールームへと向かう。



後ろからドタドタと足音が聞こえる。


「おい!やっと来たのかよ」

振り向くとマサだった。

眉間に皺を寄せて機嫌が悪そうだが。




マサ――本名、木村雅孝

ここでは雅。

ナンバーは8。



中、高と同じ学校であり、卒業後は俺と同様ホスト。
昔からの俺を知ってる良き理解者であり、悪友でもある。





「マジ電話サンキュ。あのまま完璧寝るとこだったわ」

「ミーティング所かオープンに間に合わないとか減給だな。つか、帰り龍之介さんから説教は間違いなし」


とニヤニヤしながら言ってくるマサ。





龍之介さんとはここのNo.1

男の俺から見てもカッコイイと感じる人だ。




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