三角形(仮)



従業員用通路から出て、カウンターに向かう。





ふぅー

白煙を吐き出す





まずは一服しながら今日の店の様子を伺う。








店内は、歌舞伎町の中で1、2を争う人気店だけあり広い。

中央にシャンデリアが設置され、所々大きな花が飾られている。
ゴージャス感はありつつも、間接照明の薄暗さ、黒とゴールドで統一された色彩から大人な雰囲気を漂わせている。








龍之介さんの所には最近よく来る社長令嬢。


No.2の奏(かなで)さんの所には見た事がない客――新規か?

見た目は20代前半の女が2人。

マサも同じテーブルに居る。





灰をバカラの灰皿に落としていると後ろから、


「あ!清さん探しましたよーこんな所にいたんですか。指名2本、5番と8番に入ってるんで、急いで向かって下さい」


2週間前に入った新人の瞬に呼ばれた。








清人。通称、清。

ここでの俺の名前であり、今は亡き祖父の名前だ。


俺は昔から爺ちゃんっ子で、名前をどうするかマサと考えてた際、ふと爺ちゃんを思い出し、決まったのだ。



それだけ。

でもホストっぽくなくて結構気に入っている。






「あいよー」

灰皿に煙草を揉み消し、まずは5番テーブルへ向かった。





つか、5番テーブルって、奏さんとマサがいる所じゃん。




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