三角形(仮)
「…え?!清人くん?」
リアは目を見開き、驚きながらも俺に近付き、話し掛ける。
バレたなら仕方ないか。
「よぉ。・・買い物?」
ここを訪れるのは、買い物以外ない。
だが、店以外で会うのは気まずく、何とか話のネタを探す。
リアとは昨日店で会った振りだ。
「うん。清人くん、こんな時間に起きてたんだ?」
だがリアは、俺の気まずい思いなど知らないのか、いつもと変わらずニコニコ笑顔で話す。
「今日定休日なんだよ。で、久しぶりに買い物したくて早く起きた。いつもなら余裕で寝てる時間だし」
俺もいつもと同様の対応をしなければと、微笑み返す。
「お店以外で会うの変な感じするね。しかも清人くんの私服カッコイイだもん、緊張しちゃう」
「なんで緊張すんだよ。昨日店では『帰りたくない〜』とか言ってたくせに」
俺は意地悪な顔を作り、リアの声を真似をして言う。
「そ、そんな事い、い言ってないもん!」
リアは顔を赤らめ焦り出す。
「何動揺してんの?」
リカといると俺のS心が疼くらしい。
これが本当に3個上なのか些か疑問だ。
「してないしー!…そんな事言うと今度から奏さん指名するから、バカ!」
「あ゛?‥バカ?」
俺はリアの頬を引っ張る。
「いひゃいー!はなふぃてー!」
「誰がバカ?」
「いひゃいってばあ!」
「誰?」
「うほでふ、すふぃまへん!」
俺はまだ頬から手を離さない。
「奏さん指名すんの?」
「ふぃません!ふぉんとれす!」
「しょうがねー許してやっか!」
リアの頬から手を離して、今度は頭を撫でる。
「ん゛〜もー!‥どS!」
「それ俺には褒め言葉だから。‥つか、うちの店永久指名制だから、リアは永久俺指名な」
ニヤッと左口角を上げ、厭味な笑みを見せる。
まさかリアといる所を彼女に見られていたなんて――‥。
。