三角形(仮)



「…付き合ってるの?」


暫く沈黙が続き、見兼ねたリアが切り出した。


「………多分。」


客にこんな事を言うのはどうかと思ったが、リアが彼女の事を知っているのであれば、俺との関係を知られるのも時間の問題だと思い、正直に話す事にした。


「多分って何!……でも、だったら清人くんには言っておいたほうが良いかなと思ってた事があって……」


リアの声が段々か細くなっていく。


「何?」







嫌な予感がする。





「…あたしの見間違いかもしれないけど……ココちゃんね、大学で…男の人とキスしてたの。」


「………。」

「でも本当に見間違いかも!」


そうきたか。
だが、彼女の浮気は今に始まった事ではない。
俺が直接彼女に確かめた事はなかったが、多くの噂が俺の耳に入ってくるのだ。




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