三角形(仮)
「それに、清‥すぐるくんはあたしの事なんかこれっぽっちも興味なさそうで…。あたしが一人で一喜一憂してバカみたいだったんだもん」
リアは更に続ける。
「さっきだって真帆ばっかで、あたしの方全然見てくれないし、敬語使って他人行儀だし……」
言いながら思い出したのか、どんどん涙が溢れてくる。
「そんなに俺の事好きなの?」
俺は右手でリアの涙を拭いながら、意地悪な顔をして問う。
「………」
リアは涙が止まり、今度は顔を赤らめた。
そして数秒考えた後、俺の背中に腕を回し、再び俺の胸に顔を埋める。
「どうなの?言わなきゃ分かんないよ」
泣かせたのは俺なので、出来るだけ優しい声色で言う。
「……すぐるくんは?」
「俺…さぁ?リアが言わなきゃ言わない」
「‥き……好きだよ‥」
「俺と付き合う?」
「え?…」
リアは驚いて顔を上げる。
大きな目を更に大きく広げ、口は半開きだ。
。