ちゃんと愛してるよ(短編)
どうしてそんな、表情をするの?
愛しいものを見るような、そんな表情。まるで私愛されているみたいに感じてしまう。
ねぇ、違うならそんな表情しないでよ。
いつもみたいに意地悪言ってよ。
いつもみたいに冷めた目をしてよ。
じゃなきゃ私、勘違いしてしまうから。
「……ヒナタ、君っ……!」
ヒナタ君の口づけが私の胸元にまで下りていって、私は強くヒナタ君の胸を押した。
抵抗してしまった。
「ヒナタ君!……ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」
ちゅくっ、と少し痛みを感じて、すぐにヒナタ君は体を起こした。