バニラ
「ついさっき葵ちゃんに送別会の日にちのこと話してたの。
29日にしようと思ってるんだけど大丈夫かしら?」


「あぁ、いいよ。葵と一緒に行くよ。」


「葵ねぇ~。随分仲良くなったみたいね。
葵ちゃんのこと可愛いくてしょうがないって感じかしら~?」


ミキは高い声で文之を攻める。


「葵ちゃんが辞めてもちゃんとこれからもお店には来てよね。
来なくなったりしたら許さないから~!」


少し甘えた声ではあったがミキの表情に笑顔はなく、あの時の鋭い目と同じものがそこにはあった。
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