妖魔05~正道~
「お前が死ぬような事をするのなら、俺も後で自殺してやる!いいのか!?」

『王子様』

『あなた、本気で馬鹿なの?』

二人の心配する声が聞こえてくるが、出来ない相談なのだ。

「そんな、でも、見てられないよ」

苦しい。

痛い。

それは確かだが、二度目の死を与えてなるものか。

俺の苦しみで、これ以上、美咲に迷惑をかけてなるものか。

『ギャハハハハ!どうよ?俺と契約したら、丸く収まるぜえ?』

悪魔の囁きをもちかけてくる。

元の持ち主の事などなかったかのような言い方だ。

「ぐ、く、お前だけは潰す」

腕を突いて立ち上がろうとするが、腕が痛みを発して地に付く事が出来ない。

このまま、発狂死、ショック死してもおかしくないかもしれない。

『ギャハハハハ!!ボロカスのくせして強気だな!』

「はあ、はあ、ぐ、ああああああ!」

美咲は今にも能力を使ってしまいそうだ。

「絶対に、やるな!解ったな!?」

絶対に押すなといわれれば押してしまうのが性ではある。

しかし、絶対に拒んでやる。

『ギャハハ、お前もちっとは頭を使えよ!俺と契約して治してから、契約破棄すればいいじゃねえか』

一緒に闘ってきた者を簡単に切り替えるような者を信用など出来るか。

『ギャハハ、拒むのはいいけど、どこまで持つのか興味があるなあ』

不遜な態度が苛立たせるが、感情を露にすれば痛みが増す。

『あなた、姉さんを悲しませるのなら、私はあなたとの契約を切る』

「ジャスミン、何を、言っている?」

いきなり、とんでもない事を言い始めた。

ここには、コアを守る液体も何もないのだ。
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