妖魔05~正道~
「どうするか」

今日の予定はほぼ終了したといっていい。

妖魔側も退魔師側も通知待ちだ。

俺が街中を歩いていると、ロベリアを見つける。

変鎖妖魔に三匹に囲まれているようだ。

ナンパでもしてるのか。

ロベリアはずっと笑顔のまま、返答している。

返答はしているが、ついていく気配はない。

こんなところをジャスミンが見たら、八つ裂きになれるだろうな。

それ以前に、俺が許さん。

「ロベリア」

「あ、王子様」

ロベリアはナンパ妖魔達をかきわけて、俺の胸に飛び込んだ。

「何、邪魔してくれちゃってるの?」

「俺の女なんでな、邪魔もするさ」

「俺等が何者か知ってんのか?」

「知ろうが知るまいが、どうでもいいさ。力を誇示しようとするような真似はするな」

「人間風情が、調子にのるんじゃねえ」

何か嫌な雲行きになってきたな。

「人間だとか、妖魔だとか、そんな事を言うなよ。どっちも同じなんだからよ」

「同じとかほざいてんじゃねえぞ、死ぬか?」

妖魔の中の一人が手の中で電気を起こしている。

「お前等、死ぬっていう言葉を使ったって事は、死ぬ事がどれだけ恐ろしい事か解ってるのか?」

「知るか」

今にもかかってきそうだ。

「貴方達、何をしているの?」

背後から現れたのは、美咲だ。
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