妖魔05~正道~
「終わらせる」

地面に刺さったナイフを蹴り上げ、掴んで男に投げつける。

しかし、ナイフは男の前で忽然と消えた。

その間に、再び走り出す。

「久々に死地のニオイがしてきましたよ」

男も再び走り出しながら、ナイフを投げる。

能力を使う事無く回避し、俺は両脇にそびえた椅子の上を走っていく。

そして、奥にある天の者の石像の首を折り、頭を飛び道具として入手する。

「何て罪作りな事を」

マリアは開いた口を閉じる事はない。

「神などいない」

「おや、同感ですねえ。仲良くなれそうですよ」

「断る!」

男がナイフを投げるが石像の頭を使って盾にする。

ナイフを潜り抜け、石像の頭を上空に投げつける。

「あっち向いてホイ」

指を下に向け、石像の頭を男へと落とす。

男は回避しながら、接近する。

男が上空を見た瞬間に腕に刺さった針を抜いておき、暗器として活用するために袖の内へと隠しておく。

接近戦に入ると、男はナイフを振るう。

男の腕を片腕で弾きながらも、紙一重で回避していく。

そして、タイミングを見計らい、防御と同時に暗器として隠していた針を男に向けて飛ばす。
< 25 / 290 >

この作品をシェア

pagetop