妖魔05~正道~
「長々とごめんな」

「王子様のニオイは、好きです」

「そうか」

「姉さーーーん!」

俺に蹴りをいれながら、ロベリアに抱きつく。

何とか防御しながらも、体勢を立て直す。

もう、バイトが終わった時間なのか。

「ねえ、私も姉さんの膝の上に頭置いていい?」

「うん」

「わあ!」

そういいながら、太ももの上に頭を乗せる。

しかし、瞬時にうつ伏せになり、股の間のニオイをかいでいる。

ジャスミンよ。

いつのまに、ここまで変態のレベルが上がったんだ?

しかし、ロベリアは動じる事無く、ジャスミンの頭を撫でる。

しばらく、放っておいてもいいか。

「ほどほどにしておけよ」

「いいじゃない。私は姉さんのニオイで充電しないと生きていけないのよ」

股のニオイで充電するのはどうかと思うがな。

「さて」

俺は自分の部屋に戻る事にした。

「あ、兄さん」

千鶴も丁度帰ってきたところだ。

そして、俺に近づいてくるや、顔に触れる。

「怪我、してる」

「試験を受けてきてな」

「何の?」

「退魔師だ」

「それ、本当?」
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