妖魔05~正道~
「ああ、解った!でも、勝負とかくだらん事したらなしや。ウチはパパの顔を見ながらご飯食べたいねん」

そう言いながら、お肉を口に運びます。

「ぬるいわあ。パパ、葵が余計な真似しようとしたせいで、ゴメンな」

「いえいえ、摩耶さん達の仲の良さがあれば、ご飯の隠し味になるに違いありませんね」

元より、温かくてもぬるく感じてしまうのであまり変わりないんですよね。

「パパ、美味しい?」

「ええ、久々の肉の感触は桃源郷の桃のように思えますね」

「良かった!喜んでくれて何よりや!」

日輪の輝きを持った笑顔で答えてくれますね。

しばらく食事が進み、あっという間に後片付けまで到達しましたよ。

「あ、ウチ、楓にノート返しにいかなあかんねん」

友人から貰ったという鞄を背負い、学校に行く用意を済ませます。

「恩師摩耶さん!夜道の護衛は任せて下さい!」

「余計なお世話や!あんたは飛鳥の世話でもしとき!パパ、ちょっと行って来る!」

「ええ、行ってらっしゃい」

獲物を狩る豹のような速さで駆けていきました。

ひょっとすると、水の上も走れるかもしれませんね。

葵さんも後を追っていきましたよ。

「さて、どうしましょうかね」

今のところ、副業もする必要はないですからね。

「洗い物でも済ませて起きましょうか」

立ち上がったところで、何かの気配がします。

飛んで避けると、窓ガラスを割って何かが入ってきます。
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