妖魔05~正道~
「本当、お母さんったら」

何故か、笑っていますね。

密かにしている楽しみでもあるのでしょうか。

「だって、オイラは美咲のお母さんなんだもーん」

そして、二人は狸さんのほうへと走って行きます。

「私も動くとしましょうか」

歩き出し始めると、退魔師の男性を相手にしながらも蟷螂さんが子供を産み始めました。

子供といっても人ぐらいの大きさはあるんですがね。

無言の蟷螂さんの軍勢がコートの人や女の方に襲いかかります。

「人外に群がられても嬉しくはない。おい!郁乃の姉妹!ちっと火を貸してくれや!」

拳で相手をせずタバコの箱を取り出し、タバコを蟷螂さん(小)の群れ近くの宙にばら撒きました。

「あ!蛍君だあ!いいよお!えい!」

人差し指で炎を描きながらタバコに向って、炎を飛ばします。

その間に男性は物影に隠れます。

迫る蟷螂さんの上で爆発を起こします。

そして、一つ爆発が起こると、周りにばら撒かれたタバコに引火し誘爆しましたね。

大部分の蟷螂さん(小)が爆発に巻き込まれて、盛大に木っ端微塵に吹っ飛びましたよ。

しかし、逃れた蟷螂さん(小)が二体、こちらに向ってきますね。

「おや、やっとですか」

二体同時に飛んできます。

一体の鎌を受け止めながら、片手で生成したナイフを投げつけます。

それは残り一体の鎌で弾かれました。

その間に力押しして蟷螂さん(小)を突き放し、残り一体の鎌を避け魔力発散ナイフで腕を跳ね飛ばします。

そして、距離を開けるために蹴り飛ばすと、魔力が発散され絶命します。
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