妖魔０５～正道～
摩耶さんに口付けを行うと、傷は治っていきます。

しかし、摩耶さんが動けないところを見ると、全てが直ったわけではないようです。

「はあ、はあ、これで、何とか」

笹原美咲さんも倒れてしまいました。

壁役も回復役もいなくなってしまいましたね。

「まあ、死地に行く事が第一の私としては、必要はないのですがね」

魔力発散ナイフを持ち、私は立ち上がります。

「どこへ行く、外道」

「興味を持って聞いていただけるとは、ありがたい限りですね」

「何を言う、摩耶さんの傍にいるべきです」

「あなたがいるじゃないですか。それに、私の優先事項は死地へと向かう事にありですよ」

私は、蟷螂さんへと向かい、歩いていきます。

「摩耶さんが来てから一日も欠かさず食べてきたメザシ料理が食べられなくなるのは残念です」

私にとって感情はないに等しいといえます。

しかし、究極の鈍さをもってしても、なくなったわけではありません。

私はマヤさんが死地に飛び立った時の事を思い出してしまいました。

「不思議な物ですね。闘う事は死地に向えて嬉しいのですが、今はあなたを死地に追い込みたくてたまりませんね」

笑顔になりながら、私は近づきます。

コートの方が相手をしていますが、タバコが切れてしまったようです。

回避しながら、蟷螂さんの顔面を殴ったり蹴ったりしています。

「俺に迷惑をかける奴を捕獲なんて、面倒な事を任せるとはな」
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