妖魔05~正道~
しかし、救うとなれば、マリアさんは永遠に体を使うことになりますね。

子供達の人数を考えれば、廃墟から出るのは不可能ですからね。

「マリアさんは廃墟を出るつもりでいるんですか?」

「私は妖魔、人間よりも命が長いんです。だから、彼等が大人になるまでは、私は彼等を育てていくつもりです」

「マリアさんの気の長さはカルシウムあり気ですね」

マリアさんを見習うためにはお汁粉ばかりでなく、牛乳を摂取しなければなりません。

「子供達のためならわが身など」

「マリア!何、いってんねん!」

摩耶さんが扉を開けて、仁王立ちしていますね。

「摩耶さん?」

「マリアが子供のためにやるって言うのは偉いとは思うわ!立派や!でも、神が許してもウチは許さへんで!」

摩耶さんの押しの強さは誰もかも跳ね除けるポテンシャルを持っていますね。

「でも」

「マリア!うるさい!パパ!しばらく、廃墟に留まってええ!?」

「摩耶さんが望むのであれば、構いませんよ」

飛鳥さんが生徒達に教授してくれてますし、問題はないでしょう。

摩耶さんが休学する事になりますがね。

「マリア、何とかして、ウチらが物資見つけたる!」

「おや、それはいい考えですね。私としても、死地にいける回数が増えるというものですよ」

「でも、迷惑が」

「関係ない!」

傍にある机に手をたたきつけましたよ。
< 80 / 290 >

この作品をシェア

pagetop