妖魔05~正道~
しかし、摩耶の言ったことが気になる。

子供達がどうのこうの言っていた。

「マリア」

「はい?」

「俺は、マリアの力が必要だ」

「あんた、何ぬかしてるねん?」

マリアの傍にいた、摩耶が身を乗り出す。

「摩耶、最後まで聞け。マリア、あの教会には子供達がいるんだな?」

「はい」

「それを育てているのは、マリアなんだな?」

「はい」

「そうかあ。なら、マリアの力を使うのは止めるしかないな」

「おい、いいのかよ!お前、このままじゃ、皆死ぬんじゃないのか!オラとの約束はどうすんだ!?」

「大丈夫だ。お前との約束を先に済ませる」

一石二鳥とはいかないな。

無理矢理連れて行く事は好まない。

それに、本人は自分の能力に気付いていない。

「はあ、くそ、いてえ」

そろそろ、ロベリアとの合体が解けてしまいそうだ。

「感謝するぞ。お前のおかげで、顔騎を可能にしたのだからな」

「はは、そりゃどうも」

俺の胸に手を添えると、傷が治っていく。

「相変わらず、凄い能力だ」

「そう思うのなら、大盛りの唐揚げを用意しておくことだな!」

「ああ、お前になら、何個でも驕ってやるよ」
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