俺様彼氏に気をつけて!?
それを思うと顔が火照るようだった。

俺は昨日酷いことを言った。

冷たく突き放した。

なのにどうしてお前はそんなにも温かい?

どうして変わらず俺の傍にいようとするんだよ。

俺が飛び起きて帰ろうとしたとき、

「私、千晶のこと好きだったよ」

耳を疑った。

そんなことあるわけがない。

俺はお前に何もしてやれてない。

なのにどうして!

「本当は離れたくない」

俺だってそうだ。

お前と離れるつもりなんて無かった。

だけど……

俺の横でポタポタと雫の落ちる音がした。

泣いてるのか? ひな。

「千晶っ」

泣きながら嗚咽の混じった声を搾り出した。

泣くな。

俺はひなに涙を流してもらう価値のない最低な奴だぞ。

今すぐその涙を拭ってやりたい。

思いっきり抱きしめたい。

そんな衝動に駆られた。

けれどグッと堪えた。

するとひなはそんな俺の理性を簡単に崩した。

ちゅ……

頬に何かが触れた。

ひなにキスされたんだ――

「さよなら」

その声と共に、ひなが立ち上がろうとするのが分かった。

……クソっ!

グイッ

「きゃあっ!」

ドサッ
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