★ブルーの彼方★
母の再婚話★~
「もっと、女の子らしい髪型にしたらどうなの?」



 母は鏡の中の、私に向かってそう言った。




ショートカットで、目がパッチリとした私が鏡に映ってる。




「しょうがないよ。



この髪型気に入ってるんだから」



 私は今、集中して母にメイクをしてる。



「夏季(なつき)に今度、会わせたい人がいるの!!」



 そう、母は声を弾ませて言った。





 私が母の頬にピンク色のチークを肌になじませている瞬間にそんなことを言われた。





 この言葉を今まで、一体何回聞いたっけなぁ。



四回? いや、五回目くらいだったかなぁ…。
< 1 / 243 >

この作品をシェア

pagetop