神風

彼をあたしのトランペットの教則本ばかりの部屋に押し込むとあたしは隣の部屋で着がえた。


さっさと着がえて彼の待つ部屋へ。


「ごめん。ちょっと待ってて。」


ドアから顔だけ出して言った。


今からあたしには使命があるから。


ノンの大切な弟だから。


あたしの大切な幼なじみだから。


手放したくないの。
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