神風


「よし、計るか。順番に並べよ。」


監督が指示を出す。


部屋がそのまま順番だからあたしは彰、英介、裕也と。


みんな速いんだよな。


計測では本番同様ピストルが使われた。


全神経を耳に集中させる。


これは得意技。


なにしろ元吹奏楽部員ですから。


「位置について。」


もう監督の声しか聞こえない。


隣を見ようとは思わない。


あたしはあたしのスタートを決めればいい。
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