神風


「よーい」


パン―


ピストルが鳴って飛び出す。


正しくは鳴るのと同時。


鳴ってからじゃ遅いもん。


誰もいなかった視界に彰が入る。


あとは引っ張られるように追うだけ。


少しでも追いつけるように。


「おっ!!11秒でた!」


「やったね。あたしのは?」


「13秒38」


ストップウォッチを持っていた子が言う。


「自己新でた!!」

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