神風

テントについたころ、すでにテントはなくて変わりに怒った和哉先輩が立っていた。


「遅いっ!しかもその手は何?」


怒鳴られた…


「まあ先輩、そうカリカリしないで下さいよ。」


ライが言う。


「もー、由那ったら表彰のときに戻ってこないんだもん。女子の中に俺だけ男子って恥ずかしいんですけど。」


「でもあれが最初で最後の表彰台かもよ?」


他の男子がチャカす。


ライはブツブツ反抗してたけど誰も相手にしない。


「いつまで繋いでんの?」


和哉先輩の声にハッとして彰と繋いでいた少し温かくなった手をパッと離した。
< 75 / 274 >

この作品をシェア

pagetop