神風

「飛鳥、いますか?」


合奏中だった音楽室に堂々と入る。


「何何?どうした?」


すぐに出てきた彼女。


「足ひねった。んでヒマになったから来た。」


「大会でれんの?大丈夫?」


「けっこう痛いけど大丈夫なんじゃない?」


「そう。なら良かった。走ってる由那楽しそうだから。さっ、教えてって。」


さっき閉められたばかりの扉を開け、


「由那はここ。」


と言って指揮者台に立たされる。


「え?」


なんて言葉を彼女が聞くはずもなく


「この子が中学でペットのトップだった子です。」


と1番近くにいたクラリネットのトップに言う。


「村上さんよね?部長です。よろしくお願いします。」
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