ヲタクな彼と秘密のゲーム

***



「あら、佑耶ちゃんいらっしゃい」


玄関にて私を歓迎してくれたこの人は、琉生ママさん。


「こんにちは、お姉さん」

因みにお姉さんと呼ばないとキレます。

「いつも琉生がごめんね~。いくら幼なじみだからって、無理に付き合わなくてもいいのよ?」

「いえいえとんでもない!私も楽しまさせてもらってます!」

学校では友達と呼べる女友達が片手分もいないですけどね。
誰かさんが纏わりつくせいで。
てかあなたの息子のせいで。


「兄弟をつくってあげたらね~、佑耶ちゃんに依存しないですんだのにね」

「私も一人っ子ですので、兄姉みたいで嬉しいですよ」

「そんな所で何やってんだ?早く上がれよ」

と、その時奥から着替え終わった琉生が登場する。


「おジャ魔女どれみしますー…」

そのまま琉生の部屋へと向かうのだが、因みに私は琉生の家の全てを把握している。
どのくらいかというと、買い溜めてあるトイレットペーパーから、琉生パパさんのエロ本の隠し場所まで。

それは多分琉生にとっても同じだろうが、


と、プチ情報はそこまでにして、そうこうしている内に琉生の部屋へと辿り着いた。

玄関からの距離、階段も含め、およそ7m。

この約数秒間の間に、人類の謎とまではいかないが、轟木家の全てをさらけ出してしまった。

ソーリー。


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