ヲタクな彼と秘密のゲーム
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「あら、佑耶ちゃんいらっしゃい」
玄関にて私を歓迎してくれたこの人は、琉生ママさん。
「こんにちは、お姉さん」
因みにお姉さんと呼ばないとキレます。
「いつも琉生がごめんね~。いくら幼なじみだからって、無理に付き合わなくてもいいのよ?」
「いえいえとんでもない!私も楽しまさせてもらってます!」
学校では友達と呼べる女友達が片手分もいないですけどね。
誰かさんが纏わりつくせいで。
てかあなたの息子のせいで。
「兄弟をつくってあげたらね~、佑耶ちゃんに依存しないですんだのにね」
「私も一人っ子ですので、兄姉みたいで嬉しいですよ」
「そんな所で何やってんだ?早く上がれよ」
と、その時奥から着替え終わった琉生が登場する。
「おジャ魔女どれみしますー…」
そのまま琉生の部屋へと向かうのだが、因みに私は琉生の家の全てを把握している。
どのくらいかというと、買い溜めてあるトイレットペーパーから、琉生パパさんのエロ本の隠し場所まで。
それは多分琉生にとっても同じだろうが、
と、プチ情報はそこまでにして、そうこうしている内に琉生の部屋へと辿り着いた。
玄関からの距離、階段も含め、およそ7m。
この約数秒間の間に、人類の謎とまではいかないが、轟木家の全てをさらけ出してしまった。
ソーリー。